土俵際競馬愛好会

相撲と競馬と銭湯と映画を愛する男の隠れ家的日記

一人暮らし日記~396日目~有馬記念2022ー公営競技に乗せる夢ー

今存在しているすべての人や物事には、そこに至るまでの歴史がある。

そして我々がいる"今"の向こう側は、未だ見ぬ無限の可能性、まだ紡がれていない物語がある。

 

ダービー、そしてこの有馬記念は、他のレースとは異なる「理」が、「筋」が、そして「夢」があると、私は信じてやまない。

公営競技に乗せる夢……私にとってそれは、突き詰めれば、人が一生かけても見切れない数の景色や物語のなかの1つを、この目に焼き付けたいという欲望である。

 

ドラマの主人公、時代の寵児……月並みな言葉で飾るなら、その勝者は「運命に導かれる」とでも言うべきレース。

それがダービーであり、そしてこの有馬記念なのだという信念を心の師に教わり、今日までまだ4年と少しでしかないが、公営競技を愛してきた。

当然に、普段のような血統をはじめとしたデータは予想の助けとしてそれを頼るが、ことダービーや有馬記念においては、データ云々のその先——

そこで織りなされる物語、そこから始まっていくドラマに、想いを馳せたい。

有馬の予想とは、それすなわちドラマの予想に等しい。

『あなたの夢はなんですか』とは春のグランプリ・宝塚記念杉本清アナウンサーにより発された実況での一節だが、まさにグランプリ:有馬記念とは各々が見たいドラマ=夢を馬券に託す、そんなレースである。

人馬の物語の、一つの節目として語られるべきレース……それが私の中での有馬記念に他ならない。

一人暮らし396日目の記録は、2022年総決算、有馬記念の予想。

あなたは、どんなドラマを予想しますか?

こんしゅうのわたし

振り返るべきことがなかった訳ではないが、今週は(私の公営競技ライフ的には)総決算なので、この項は全て先週日曜決勝のボートレースグランプリについて個人的雑感を。

ボートレースグランプリ優勝戦@大村 雑感

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まず私の舟券から。

グランプリは基本として1万と決めている。これは有馬記念も同じ。公営競技に生かされている、日々を楽しませてもらっている身として、これは一つの敬意の表現であると思っているし、最高峰の舞台に対する礼儀だとすら思っている。最近は競馬のG1でも1万入れることができるけれど、額面こそ同じであっても、気持ちの乗せ方でその質は違う。

白井が1号艇であることを差し引いても出色の脚で、これならばイン逃走は堅いだろうという所から。

原田はトライアル2ndの成功体験もあるし、展示見てても差すよ!!みたいな脚していたように見えたので原田は差し構えで。深谷の脚はトライアルの段階から相当仕上がっていて、トライアル最終日こそ池田浩二に上回られたものの、それでも回ってからの繋がりは目を引いた。となれば、差しに構えた原田とその外を回す深谷、追っていく磯部はその内突くも2Mでさばかれて3まで……という想定。

外枠については、結局ここは大村だし、ハイレベルになればなるほどその場の特徴が浮き彫りになるのでは?と踏んで切った。

堅いところだがそこそこ自信はあったし、何かしら引っかかるだろうと思っていたのだが、本番レースはまさにドラマチックな展開が待ち受けていた……

 

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原田がコンマ07のトップスタート。これは差されるか???と思った矢先
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まさかの外に張る動き。この時点で私の舟券はほぼ成立しなくなった。いいスタートだから欲をかいたか、はたまた好スタート過ぎて逆に迷いがあったか。真相は定かではないが、落として差しに構えていればもう少し勝負になったのでは……というのはタダの結果論に過ぎないだろうか?本人はターンミスとのことだったが、なんとももやつくターンだった。落として回ることができなかった時点で原田の負けは決まっていたように思う。余談だが、私の職場の同僚で原田を擁護する人は誰もいなかった。無論、私を含め。f:id:sumo-to-keiba-to-arbeit:20221218235305p:image

大きく流れた③深谷はここでほぼ勝負権を失う。2番差しの格好で突き刺さる④磯部、そしてそのさらに内、ST.21のスロースタートから冷静かつ大胆なコース取りで差し迫ってきたのは今年の獲得賞金暫定1位、➅馬場貴也だった。

後ろのもつれを尻目に、白井は悲願へ早くも逃走態勢を盤石に
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1周2Mから2周H。➅馬場がインからでもお構いなしの全速ターン!!

インからアウト……普通なら膨らむ恐れしかないターンも、これが今年トップの技量、そして看板モーターの力だ!と言わんばかりに、うまく決めて2番手争いにまで浮上。6の引き波もあって、原田が揉まれて後退、内から④磯部が2番手争い優勢、そしてその3者が縺れ合おうものなら……と言わんばかりに③深谷が盛り返してきた。

白井はここでもう独走。1着勝負は決した。
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2周1M。

②原田先マイも、やや無理があったか、外へ膨れたところに④磯部が3をツケマイに沈めつつの超絶技巧で2番手確保……と思いきや!馬場がここも機力を活かした全速!②原田が膨れた内、タイトに回る④磯部の外側のわずかな間隙を見事に突き抜けるスピード&テクニカルなターンで2番手争いは2周2Mまで続行。

ここで完璧に私の舟券は散った。
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2周2Mから最終H。

➅馬場、ここも気持ちで!全速、アウトtoアウト!!!強烈!!!

地味に②原田がふんわりダンプで④磯部の内に詰め寄るが、それでも勢い勝る磯部。

2人がやりあう中で、コーナー出口では半艇身ほどに見えた④磯部と➅馬場の艇間は気づけば1艇身半ほどに。馬場の51号機、丸亀64ほどではないにしても相当出ている……

にわかに➅のターンミス→②原田が④磯部のインねじ込みの流れの①→②→④があるのでは???という可能性、もとい一縷の望みが生じて舟券的には少しドキドキもしたが、結局はドキドキ止まりだった。
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➅馬場はここでも豪快にアウトtoアウト!これが決め手、見事に④磯部をツケマイに沈めた。ふんわりダンプで④磯部の懐に迫った②原田であったが、マイシロなく……④磯部のこれまたふんわりツケマイに沈んだ。これで上位隊形は①→➅→④
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そのまま①➅④でゴール。ゴール後、白井のガッツポーズ。

実況にもあった師弟の誓いを果たしたエピソードもさることならがら、この①④⑥の組み合わせは、1着を並べて優勝戦に進むもST遅れて戴冠を逃したあの2014年平和島GP(その時の①白井は3着で➅→④→①)と同じ。

人と場所は違うが、あの時追いすがっても届かなかった緑のカポックを、今度は自らの後ろに従えて先頭でゴール……白井の中でも一つ区切りとなる勝利になったのではないか。意味合いとしてはワグネリアンでダービーを取った福永のような、さらに殻を破っていくきっかけとしてのGP制覇になっていくのではないかと個人的には思っている。

いずれにしても、白井英治、おめでとう!!!

 

以上こんしゅうのわたし、もとい、GP回顧でした。

 

 

こんしゅうのけいば

 

sumo-to-keiba.hatenadiary.jp

先週はこれ。オオバンブルマイの出負けで全て終わってしまった。

 

切り替えて今週。

 

前走のあれこれ

前走レース

かなり傾向のハッキリしたデータが並んでいるように思う。

菊花賞 3-1-2-7 (46.2%)

1着馬:2-0-2-1(80%)

2着馬:0-0-0-1

3着馬:0-0-0-2

4着馬:1-0-0-1

6着以下:0-1-0-2(33.3%)

 

4着から勝ち切ったのはブラストワンピースで、力を認められてはいたけどなんか噛み合わず……みたいな馬。6着以下から絡んだのは14年トゥザワールドで、皐月賞2着の経験があった。

また、トゥザワールド、ブラストワンピース以外で絡んだ馬は菊花賞で上がり3位以内だった。ブラストワンピースが菊花賞から臨んだ年は、菊花賞の上がり1位が5頭同値で数字的には2番目だったことを踏まえれば、ほぼほぼ上がりが使えるステイヤー気質が求められてくると言えそう。

 

 

ジャパンカップ 2-2-5-47(16.1%)

1着馬:0-1-1-2(50%)

6着以下:0-0-1-34(2.9%)

 

1着馬が高く見えるが、勝ち馬で絡んだ馬はジャパンカップでキレッキレの脚を使っていない馬※であったから、今年のヴェラアズールが見せた、いかにも東京向けな切れ味ある感じがどうか……春先のサンシャインステークスも3Cから追い上げて坂で勢いが削がれての3着だったし……という感じ。6着以下から巻き返したのは13年のゴールドシップで、ムラ馬だからという他にも、前年度覇者である上に皐月賞もこの場だから、適性があったという理解でもよいかと思う。

※16年のキタサンブラック(2着)は上がり1位が34.4、自身は34.7での逃げ切り(上がり6位)。17年のシュヴァルグランは上がり3位34.7、1位も34.6のスピード勝負ではないレースだった。

 

天皇賞(秋) 2-2-1-12(29.4%)

1着馬:1-1-0-1

2着馬:0-0-1-0

3着馬:1-0-0-1

5着馬:0-0-0-1

6着以下:0-1-0-9(10%)

 

 

馬券になった馬が2-1-1-2(66.7%)という驚異的な数字で、一方絡めなかった馬は0-1-0-10という対照的なわかりやすいデータに。

天皇賞1着馬で有馬に来た馬は上がり2位・3位の馬しかいなかったが、それで1-1-0-1と考えると、天皇賞は勝っていることが大事とも言えるかもしれない。

スタート後のコーナーでのポジション取りであったり、上手く言い表せるだけの知識がないが、底力や地力といわれるものが求められるレースだという所が似ていると認識しているので、この結果は少なくとも私の中では消化できている。

が、今年のイクイノックスは大逃げの馬がいたことでなんとも特殊な気がしてならない。レースを見返して結論を出したいところ。

 

唯一着外から飛んできたのは19年のサートゥルナーリアで、この馬は皐月賞ホープフルステークスの中山GⅠ・2冠馬。前走も絡まれて掛かってと理由が付く敗戦だった。

 

秋の盾1着で飛んだのは19年アーモンドアイで、これは良発表だがかなりタフな馬場で、適性がなかったとしか言いようがなかった。3着からの臨戦で飛んだのはアエロリットで、天秋でうまいこと員たち回った上に前残りの恩恵を受けての3着というだけで、戦績を見ればわかるように距離はこの馬には長すぎたと言えそう。

 

凱旋門賞 1-1-2-3(57.1%)

前走着順は言わずとも……なので割愛。

 

凱旋門に行くような馬は基本名馬なので当然と言えば当然の数字なのだが、にしてもハイアベレージ。

メンバーから言えそうなのは、

ステイヤーとしての実績があるか」あるいは「このレースの実績があるか」

が重要であろうという事。

クロノジェネシス以外の6頭は全員菊花賞天皇賞春での好走歴(馬券絡み)を持っていて、クロノジェネシス凱旋門から直行する前の年に有馬記念を制している。

飛んだ馬の敗因を考えていくと、18年のクリンチャーは、結果的に見れば凱旋門帰ってからしばらく不振に陥っていたし、完全な力負けとまでは……という感じ。

19年のフィエールマンは完全に馬場。かなり力の要る状態になっていて、発表こそ良とはいえ雨もよくなかった。マークしたアーモンドアイが早々に垂れる(当時としては)想定外の事態も起きて、最後に差されての4着で言い訳が効きまくったし、事実、次の年は3着入着を果たしている。

キセキは追い込んでよく伸びたが前と同じ脚色になってしまった。しかしそれでも5着で大敗はしていない。

 

これらのことから、有馬の好走条件はステイヤー質の走力と言えそうで、有馬はリピーターレ―スとよく言われるが、その根底には日本においては非主流派のステイヤー的素質が関係していると言えそう。凱旋門にはスタミナが……とかパワーが……とよく言われるが、日本においてそれが最も求められるのがこの舞台なのかもしれない。

本当は別の項で書くべきかも分からないが、これに付随して、前走距離との比較で

今回延長:6-9-8-110(17.3%)

同距離:1-0-0-5(16.7%)

今回短縮:3-1-2-15(28.6%)

と、短縮とそれ以外でかなりの差があることは、このレースの質をひとつ裏付けているのかもしれない。

 

 

他には特筆すべきレースはないが、強いて言えば前走エリザベス女王杯、かつここが引退レースの牝馬は引退ヤリが飛んでくる可能性を頭の片隅に入れておきたい。

クイーンズリング、サラキアの例がある)

またこの場合、エリザベス女王杯の好走歴が必要であることも頭に入れておきたい。

(思えばエリ女も割とリピーターっぽい性質があった気が……)

 

騎手

前走と同じ騎手:8-5-4-72(19.1%)

乗り替わり:2-5-6-58(18.9%)

複勝率は変わらないが、ご覧の通り連対率、勝率は相当違うので、どういう馬券を組むかによってとらえ方を変えたい数字。

ちなみにどういう理屈か分からないのであまり使えないかもしれないが、

外国人騎手(中央所属除く)から中央所属騎手(Mデムーロ・Cルメール含む)への乗り替わりは2-2-1-11で複勝率31.3%の好成績。

 

 

枠番

1枠:1-1-1-17(15%)

2枠:1-2-0-17(15%)

3枠:2-3-0-15(25%)

4枠:2-0-2-16(20%)

5枠:2-2-2-14(30%)

6枠:1-1-1-17(15%)

7枠:1-1-3-15(25%)

8枠:0-0-1-19(5%)

 

1~4枠:6-6-3-65

5~8枠:4-4-7-65

で、複勝率自体は変わらないが、上の着を狙うなら内枠という感じはする。8枠はボウマン騎乗のシュヴァルグランしか絡んでいないのでほぼ死に枠。それ以外は展開によりけりといった感じか。

 

年齢

3歳:4-2-2-1(33.3%)

4歳:2-5-1-36(18.2%)

5歳:4-3-6-45(22.4%)

6歳:0-0-1-16(5.9%)

6歳で絡んだのはこれまたシュヴァルグランのみ。

 

人気

1人気:6-1-1-2

2人気:1-1-4-4

3人気:1-1-2-6

4人気:1-1-2-6

5人気:0-2-0-8

 

8人気:1-1-0-8

9人気:0-1-1-8

10人気:0-1-0-9

11人気:0-1-0-9

 

 

ご覧のように、5人気までで9-6-9-26(52%)という圧倒的人気偏向のレ―ス。

買い目の組み甲斐がありそう。

が!8~11人気からも絡んではいて、特に2着がそこそこあるというのミソ。馬連買う方は注意されたし。

 

予想

 

菊花賞を、そして天皇賞春までをも逃げ切った稀代のステイヤー・タイトルホルダー。

あと一歩届かなかったクラシックを糧に秋の盾を勝ち取った3歳世代の強豪・イクイノックス。

時代を牽引するタイトルホルダーと、時代の先頭を目指すイクイノックスが、ここ有馬記念で相まみえ、雌雄を決するというのは、1年の締めくくりとしてもこれ以上ないのはもちろんのこと、2頭の父を思い描いてもまた、これ以上ないものであるように思う。

 

 

日本競馬の未来を担うであろう若武者たちを背にタイトルを獲得し続けるタイトルホルダー。その父は道半ばで引退を余儀なくされた2冠馬、ドゥラメンテである。

皐月賞、そして東京優駿の戴冠――順調に思えたその馬生を阻んだのはケガだった。

遊離骨片の除去とそれに伴う長期戦線離脱……菊花賞を獲得しての三冠の夢、あるいはロンシャンへという夢は途絶えてしまった。

が、ドゥラメンテはその輝きを絶やさない。

4歳、中山記念で復帰の白星を飾ると、ドバイシーマCの2着を挟んで宝塚記念。グランプリの栄冠は、ドゥラメンテ復権を示すにふさわしく、ファンもまたそれを期待して、当時力を増していたキタサンブラックを押さえて1番人気に推されていた。

この宝塚記念では惜しくも2着での入線を果たしたが、入線後に故障を発生。このレースを最後に競走能力を喪失してしまう。ドゥラメンテの競走馬としての輝きは、ここで、絶えた。

 

 

ドゥラメンテの輝きの狭間には、いつもキタサンブラックの姿があった。

ドゥラメンテの休養中に菊花賞を制したのも、ドゥラメンテとは別路線で……ドゥラメンテの輝きの及ばないところで、その世代の輝きを示したのもまた、キタサンブラックであった。

キタサンブラックがますます力をつけはじめ、まさにここから、ドゥラメンテと共に、この世代が時代を築いていく……そんな予感をさせていたのがドゥラメンテが2着した、そして悲しくも、ドゥラメンテの競走馬としてのキャリアの終点となってしまった宝塚記念だった。

キタサンブラックは、顕彰馬として人々の記憶に刻み込まれる名馬であるが、ドゥラメンテにはついぞ直接勝利を収めることはなかった。

1世代下のサトノダイヤモンドがライバルとして挙げられることの多いキタサンブラックだが、ドゥラメンテもまた、同世代でしのぎを削るはずだった、いうなれば”幻のライバル”だった。キタサンブラックドゥラメンテの、今となっては儚いとも言えるその強さに、自身の完成を間に合わせることができなかった。打ち立てた数々の記録が霞むことは決してないが、ドゥラメンテが隣を走っているキタサンブラックの軌跡があったとしたら、それはそれで、素敵な伝説として日本競馬史に残っていたように思う。

 

――その宝塚記念から5年。

ドゥラメンテの遺伝子を引くタイトルホルダーは、偶然にしてはあまりに綺麗に、父の成し得なかったことを達成していく。

2021年は父が逸した最後の一冠・菊花賞を制覇、2022年には父は走らなかった天皇賞春を制覇し、そして勢いそのままに、父もなしえなかった宝塚記念を制覇。そして10月にはロンシャンへの遠征まで果たした。

ドゥラメンテが完全に示しきれないまま終わってしまった自身の強さを、その仔であるタイトルホルダーは、自身の活躍を以て、その名と共に後世へ残していこうとしている。

 

時をほぼ同じくして2021年、キタサンブラックの初年度産駒はデビューを迎え、その中にはイクイノックスの姿があった。

体質の問題から数を使うことができず、2歳時に走ったのは新馬東スポ杯2歳Sの2戦のみ。そのいずれも勝利を収めると、明けた春、「使ったレース数が強さではない」と言わんばかりにクラシック戦線で活躍。クラシックタイトルにこそ手が届かなかったが、この秋には天皇賞秋を最少キャリア制し、中距離での強さを示した。

この馬とてまだ完成の域にはない。が、既に古馬と渡り歩くだけの力は持ち合わせていることは、先に述べた実績がそれを証明している。キャリアの浅さは、可能性の大きさに等しい。

 

そして時は現在、2022年12月。有馬記念の中山で、2頭は相まみえる。

父の代では幻に終わった激戦を、今この地で繰り広げん、と。

 

この対決は2頭の勝敗を決するただ一度の決戦ではない。

むしろこのレースは、ドゥラメンテキタサンブラックが描けなかった歴史を、物語を、今ここから始めていく……いわばスタートラインとしてのレースだ。

来年以降、この2頭が日本の競馬をー1頭のスターホースによってではなく、ライバル同士の激闘によって盛り上げていく……そのスタートがこのレースであることを願ってやまない。

 

2頭の激闘をこれから見ていくのだ。

最初の内は、ドゥラメンテキタサンブラックが駆け抜けたあの頃のように、キタサンブラックドゥラメンテに……イクイノックスがタイトルホルダーに受け止められるくらいがドラマとしてはちょうどいい。

幻のその先へ――

これから繰り広げられる激戦の軌跡、その最初の1ページは、父たち2頭が共に駆けた最後の1ページと同じ順番で見届けたい。

 

 

有馬記念2022

◎タイトルホルダー

〇イクイノックス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一応、筋書きとしてはこんな感じで考えていて、データとかのちゃんとした(上のもめちゃくちゃちゃんと考えたけど!!)予想は以下の通り。割としっかり根拠も。

 

 

◎タイトルホルダー

〇イクイノックス

▲ボルドグフーシュ

☆ディープボンド

△ジェラルディーナ、ウインマイティージャスティンパレス

 

 

このレースがステイヤー質なレースなのではないかという話は上で書いた通りだが、さらに言えば、長距離を走った上でメンバー上位の上がりが使えるような馬ということも付け加えておきたい。例えば昨年2着のディープボンドはその年の天皇賞春・阪神大賞典では上がり2位だったし、2年前のフィエールマン(3着)はその年の天皇賞春で上がり1位、3年前のワールドプレミア(3着)はその前走の菊花賞で上がり2位だった。

詰まるところ、長い距離を走り抜ける体力に留まらず、その上で末脚を繰りだせる力がこの有馬記念には求められているということが言えそう。

◎タイトルホルダーは昨年5着も、その前走であった菊花賞では、自身の上がりがメンバー中の上がり上位3頭に入っていなかった。だが今年は日経賞上がり2位1着、天皇賞春は上がり1位で1着、宝塚記念は上がり3位で1着と、逃げた上で末脚まで使えるようになっている。去年と違うのは言わずもがなこの上がりの部分で、まさに本格化を果たした印象と言っていいだろう。今の日本でステイヤーとしてこの馬の右に出る馬はいないと言っていいレベルの馬になりつつある。中山での実績も言わずもがなで、コース自体には問題はない。凱旋門から帰っても騎手曰く「陣営との調整もあり不安なく臨める」旨コメントしていた。突いてくる馬もいなさそうで展開もこの馬にある。タフな馬場でも日本の馬場なら苦にしない。

○イクイノックスは、前の位置で追走できるようになったらそれこそ父のような馬になると思っていて、前走の天皇賞は先団の後ろが固まっていたこともあり記録上のポジションは後方に見えるが、ゲートは割としっかり出て、促せばポジションはいくらでも取れそうな行き脚だった。これがたまたまなのかは分からないが、今の後方一気の印象とは異なり、実際皐月賞ではある程度ポジションをとっていたことも考えると、ある程度イクイノックスの位置は柔軟に考えてよさそうだ。前走で追走と末の切れ味がある程度の両立を成し得たと捉えれば、皐月賞の時の、前に付けて早めに動いて差されたイクイノックスとは違った結果が中山で見られることと思うし、イクイノックスはまた一つ上のステージを目指せる馬になっている可能性が十分ある。私はこの可能性に賭けて対抗に推したい。

 

▲ボルドグフーシュは春クラシックには間に合わなかった大器。

菊花賞ではタイム差なしのハナ差まで勝ち馬に迫って上がりは最速。最終4Cに向けてじんわり位置を上げて上がり最速……菊花賞のレベル次第と言われればそこまでも、有馬で通用するパターンのレースをしていた。

稽古から見るに出来もかなり良さそう。

上がりが使えるステイヤーで条件には当てはまるし、鞍上は今回の有馬が騎手キャリア最後のグランプリとなる福永祐一。乗り替わりにはなるが、最後の最後にドラマが待っているかも……??

ただ福永はグランプリには縁の無かった男。

こういうのは最後まで縁がなかったね、で終わるものとも思っている自分もいて、その意味ではどうかな……とも思うが果たして。

他に目ぼしいのがいないし枠にも恵まれた感あるので3番手に。

 

 

☆ディープボンドは国内でも惜しい競馬が続いていて、どうにも勝ちきれないイメージがあるが、その内容はどれも悪くはないどころか結構秀逸で、海外前の宝塚記念は、鞍上が勝負に出て、勝ちに動いた結果の4着だったし、長距離では常に上位の上がりを繰りだして馬券に絡んだ。凱旋門賞の着順こそ大きいが、その前の今年の3走は阪神大賞典上がり1位1着、天皇賞春は1位に離されたが上がり2位2着、そして前述の宝塚記念4着と安定はしている。昨年も凱旋門からの臨戦だったが、その昨年よりも調整過程が良く、「過去一番くらい良い」とのコメントすら飛び出している。これほどの体調に加え、このレースはリピーターレースの性格もあり、長距離、そしてこの舞台への適性が証明済みのこの馬は重い印を打たないわけにはいかない……と思っていたのだが、枠が死に枠。

4番手で。

 

△はデータや走り、血統的に来そうな面々をピックしたもの。

 

 

 

 

買い方は3連系にするなら

◎=○▲☆=印の三連複と三連単

気持ち的には本命対抗の馬連ワイドで攻めたい気持ちも。

オッズと相談する。

 

 

 

こんしゅうのひとくち・POG

今週から形をややアレンジした。

 

3歳

ルージュアルル【1-1-0-1-2-1】

今週も無事だった。

今年は勝ち上がりも決めてくれて大きな一年だった。来年は更なる高みを目指して走れるといいな。

 

2歳

レッドラグラス【0-1-0-0-0】

新馬戦は2着。

勝ち馬は今村聖奈騎乗で3キロ減の中1・1/4差の2着なら上出来。

現状ダメージはそこまでのようで、今のところは在厩のまま1月中京、しかも年明け3日間開催のどこかのダ1800を目指すとのこと。レース後の「勝たせてから休ませたい」というコメント、勝てる可能性はあると見られてるって認識でよろしいのですよね?楽しみはまだもっておく。

新年初勝利はこの馬がいいな……

 

今回の新馬をもって今年の一口戦線は終了。

アルルの成績と合わせて

1-2-0-1-1-0でオール掲示板。

一口馬主初年度の出資馬で初勝利を迎えられたし上出来も上出来。来年はアルルも復帰してもらって、ラグラスとの2頭で楽しめたらいいし、新しくデビューする出資馬が来年は2頭もいるので、この馬たちも活躍してくれたら……

来年の目標は、欲張って2勝。。。

 

 

 

1歳

レッドエルザの21

プラトリーナの21

2頭とも更新は来週の予定

 

 

 

 

今年の総決算。当てる。

 

 

 

 

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