土俵際競馬愛好会

相撲と競馬と銭湯と映画を愛する男の隠れ家的日記

東京優駿(日本ダービー)2021

日本ダービー

 

 

日本ダービー2021

◉エフフォーリア

皐月賞は経済コースを回ったとか何とかで難癖をつける人の気持ちはわからんでもないが、内側の馬場は荒れていたし、正直、外で距離ロスを取って馬場の良いところを走らせるのと、内で経済コースを回って馬場の悪いところを通すのとは、有利不利は差し引きゼロで、その意味ではフラットだったのではないかと思う。

確かにダノンザキッドの失速によって不利を被って余計に外を回した馬も一定数いたが、それを踏まえても馬場の内を通した馬が相対的に評価を下げる必要はないように思うし、なんなら、内を通して伸び続けた馬の方が強いとさえ思っている。

前走この馬が計時した上がり3F36.7は、道中のポジション、直線通した位置を考えると驚異的で、1か月少々で埋まる差ではないと見る。

「馬場の悪いところを通しても勝てた」という自信は、Cコース替わりにも関わらず差しがかなり効く今の馬場においてかなり重要で、他の騎手がインをあける中で進路を求められるだろうし、そこから抜け出し、押し切るだけの力はあると考える。

問題は他馬のマーク。最内だし、豊とかその辺からのマークは避けられないだろうが、前走は馬群の中でじっとできていたし、少なくともエピファネイア産駒にありがちな馬群の中がダメということはなさそう。あとはそのマークをかいくぐる馬の心身の力と、騎手の手腕にかかっている。

 

なんでも、戦後最年少ダービージョッキーの記録が打ち立てられてから半世紀が経とうとしているらしい。

時代の、数字上の節目……

武史は新たな時代を切り拓く騎手になれるだろうか。

 

私は、切り拓くことができると思う。

確信にも似た願望の◉で、彼の雄姿と新たな時代の到来を見届ける。

 

 

○ステラヴェローチェ

 

大きなトビで、心肺能力が高いこの馬のポテンシャルは、広い東京の中長距離=ダービーで輝く。

前走は経済コースを通ったことから、展開利を得たと見る目が多いようだが、馬場で言えば圧倒的に内が伸びない馬場だったということは、エフフォーリアの項に重ねて記しておく。そこを通してなお上がりはエフフォーリアと同じ。経済コースを通したとはいえ、最後タイトルホルダーとの差は詰めていたし、アドマイヤハダルは少しだけ離したところにこの馬の力を見たい。

エフフォーリアとの差がひっくり返せると断言まではできないが、舞台替わりも相まって、良いところまで行けるのではないかとは思っている。

馬場はできれば良馬場の方が良いタイプだし、その意味でも舞台は好転しそう(にわか雨があるかもしれないらしいが)外から伸ばしやすい馬場になっているのならば一層、この馬にとっては好都合だ。

 

 

正直に言えば、この馬の背中には横山典弘に乗っていてほしかった。

息子のダービー制覇の壁として、立ちはだかってほしかった。

叶わないことを言っても仕方がないのだが……

鞍上は先週のソダシのこともあるし、期するものがあるはず。

願わくば、エフフォーリアに立ちはだかり、直線競りかけていく馬がこの馬だったなら……期待と、少しの悔しさとを込めての対抗。

 

 

▲サトノレイナス

聞く話によると、なんでも去年からこの馬でダービーを考えてたって話だそうじゃないか。

確かに前走は明らかな距離不足で、オークス出てたらかなりの人気を集めていただろう。そこをあえてダービー。うーん。

と、週半ばには考えていたが、馬場見たりまた考えたりするうちに結局3番手評価に。

バスラットレオンが逃げて、タイトルホルダーが番手。テンが締まって、中盤に緩むという展開になったとき、エンジンのかかりの遅いこの馬を熟知するルメールなら、レイデオロの時みたいなことを敢行するのではないだろうか。今の馬場ならそれがまんまと決まりそう。能力自体はある馬だし、ちょっと過剰に人気している気もするが、このレースばかりはオッズはきにしない。

 

武史が新時代の開拓者となるために越えなくてはならない壁の一つは、人気馬を当然のように先頭でゴールさせ、その実力を遺憾なく発揮させる異国から来たこの騎手であることは間違いない。

父を越え、リーディングジョッキーを越えた先に、時代の扉はあるはず。

 

『いずれ武史はトップジョッキーになる』

見初めた才能は、まさにトップへの階段を駆けあがろうとしている。

越えるべき壁として、このレースでは三番手の印を打ちたい。

 

☆ワンダフルタウン

先週のユーバーレーベン感を覚えた。

休み明けの前走は、ユーバーレーベンに用いたロジックで説明するなら展開利を受けた側だが、今回自分が想定しているダービーの流れは、上でも述べたように”テン締まって中盤緩んでラスト勝負”という展開だが、それはこの馬が好走してきたパターンでもある。

叩いた分の上積みを加味すれば、この馬に席があっても驚きはしないので、☆を。

 

☆ディープモンスター

先週に引き続き変則的な印になるが、この馬を△に埋もれさせるのは自分の中で違和感があったので。

前走は大外を回される不利。同じ不利でグラティアスが取り上げられることの方が多いように感じるが、個人的にはより不利を受けていた上にかなりの脚を使って追い込んでいたこの馬を上に取る。

鞍上は替の印がついているが、前走はけがで代打になったため事実上の継続騎乗。

新馬から乗り続けている馬で、癖や価値からの程度、出し方は心得ているはず。

適性的には菊花賞っぽい感じがするし、信じすぎるとエタリオウされる可能性が高そうな気もしているが、実は先行でもなんとかなったり、追い込めば追い込んだで結構な脚を突開けたりと、レースの幅は広い。鞍上の発想を実現するだけの力はありそう。

巷でこれまたよく言われているが、3枠5番で豊のダービー。そしてディープ産駒。

馬鹿馬鹿しいと笑う人もあるだろうが、私はこういうのが好きなので、その意味でも、打てる限りの特別な印を打っておく。

 

△ヨーホーレイク、グレートマジシャン、タイトルホルダー、グラティアス

 

皐月賞大外回し組、評価したくはないがちょっと気にはなるのでヨーホーレイク、グラティアスの二頭をピック。タイトルホルダーは過小評価されている気がするので一応ピック。

毎日杯組は考えるレース質とあまりに乖離したレースをしてきた組なのであまり評価したくないが、グレートマジシャンは毎日杯とセントポーリア賞で結構強い競馬をしてきたので買う。

 

 

 

ダービーは、競馬の見方を、面白さを教えてくれる、大切で特別なレース。

 

今年もダービーが無事開催されたことにこの一年駆け抜けてきたすべての優駿、そしてこの舞台に至った17頭とその関係者に、最大の賛辞と感謝を込めて。