土俵際競馬愛好会

相撲と競馬と銭湯と映画を愛する男の隠れ家的日記

東京優駿2024

 

東京優駿2024。

各馬の個人的見解と予想。

 

各馬見解

アーバンシック

皐月賞4着、京成杯2着で、主な勝ち鞍は百日草特別

この百日草特別がかなり強い内容で、入りこそ緩かったが、中盤極端に緩むこともなく(1000m60.8)最後の直線は加速ラップ11.7-11.5-11.3で締めるという好内容。アーバンシックはこれを出遅れながらも追走し、道中少しポジションを上げていったにも関わらずこのラップを差しきった。東京は脚質的にも血統的にも合うのだと思う。

父スワーヴリチャード自身はデビュー時にゆるゆるの馬体だったが、産駒はむしろその母ピラミマ等に端を発する仕上がりの早さが見られる。気性にも勝る印象で、先週のスウィープフィート然り、末の切れこそあれど父ほどの距離は持たないのでは?と思わされる馬も多い。

だがこの馬の母父はハービンジャーで、ハービンジャーの緩さが良いように作用しているように思う。百日草特別は明らかに2000が限度の馬の末脚ではなかったし、皐月賞も3C手前から押し上げていって末脚は使えていた。皐月賞の後の騎手コメントでは「馬場的にもう少し前が欲しかった」との発言があったし、この皐月賞はむしろ後方からあそこまで届かせた末脚を褒めるべきではなかろうか。

ハービンジャーは先週のアスコリピチェーノの父でもあり、またスワーヴリチャードは東京巧者だったように、血統的にもこの舞台に替わるのは加点要素になろう。追い切りでかかり気味なのが気になるが、大外枠でなければ制御は効くはず。

 

エコロヴァルツ

朝日杯2着馬。

速い上がりは得意とせず、力の要る馬場で相対的によくなるタイプ。朝日杯もあg理最速ながら34秒台だし、皐月賞も33.9.しかもこれは4C馬場の最内をみんな開けていたところを突いてのもので、そこまで評価できる最速ではない。

上位2頭がG1馬になった共同通信杯では5着に敗れたが、これは折り合い欠いての失速。もともとかかりやすい馬で、2000から伸ばすことがプラスになるような馬ではない。さらに今回は武豊から乗り替わることもあり、減点要素が多すぎて私にはとても買えない。

 

 

コスモキュランダ

皐月賞2着馬で、弥生賞勝ち馬。

弥生賞は捲り一閃で勝利。続く皐月賞は3C中団から押し上げていくと、メンバー2位の上がりで先団を次々に飲み込みジャスティンミラノに首差の2着。ジャスティンミラノに直線少しずつ差を詰めていたように、使える脚は長いし、距離も伸びても何とかなりそう。

父は現役時皐月賞を制した他、大阪杯も制したG1・2冠馬。ダービーも5着だったことから、その点から見ても距離は持つのではないか。

ここ2走は展開がバッチリでの好走ではあるし、今回の鞍上がモレイラではなくなるのだが、皐月賞であれだけの競馬を見せたくらいで力は間違いないし、距離も持つだろう。人気が無いようであれば押さえても。

 

ゴンバデカーブース

サウジアラビアRC勝ち馬で、NHKマイル4着馬。

母父ディープで末の切れ味には特筆すべきものがある。

前走はジャンタルマンタルとアスコリピチェーノのかなり強い2頭とロジリオンに敗れたが、取り消し除外明け、実戦は10月以来半年以上ぶりだったことを考えれば上々の内容だろう。

問題は距離。前走後コメントの「最後は脚が上がってしまった」というのが距離由来なのか休み明け由来なのか……ホープフルを使おうとしたくらいだから、距離はある程度持つのではないかと思うし、母父ディープのブリックスアンドモルタルなら血統的な後押しもあるのではないかと思うが、一度競馬を使えたとは言え、本来ならもう少し違った使いかたを思い描いてきたはず。

ダービーで走る馬は順調さを欠かないと思っているので、この馬を私は選ぶことができない。

 

 

サンライズアース

すみれステークス勝ち馬。

皐月賞後のコメントで、元気すぎる、まだ競馬を分かっていないとあったように、精神面で疑問符が付く馬。

レイデオロはどうやら晩成の馬が多いらしいのと、思ったよりもステイヤー寄りの脚っぽい馬が多いようで、その意味でも狙いにくい。父もダービー馬ではあるが、ちょっとここでは……

 

 

サンライズジパング

若駒S勝ち馬でホープフルS3着馬。

ホープフルはかなりの不利を受けながらも差し脚伸ばして3着と強い内容。続く若駒Sも大外から一気の追い込みで勝ち切った。

皐月賞は内を突いてジリジリ伸びたが、良馬場での限界が見えたようなレースで。。。

勝ち上がりとその後の合わせて2戦はダートだったように、芝ダート兼用といった感じで、どちらでもG1を!というレベルには……キメラヴェリテみたいな感じな気がする。

兄のグランシエロは青葉賞4着で、距離も持つと思う。ダービーでは買わない。

 

 

シュガークン

4戦3勝、青葉賞勝ち馬。

豊が「楽しみある」といった通り、2400でも折り合いに不安なく、青葉賞では加速ラップを押し切った。確かに強いは強いと思うのだが、私の中で青葉賞で一番強い競馬をしたのは後出のショウナンラプンタだと思っているし、どうも器用に立ち回れるけれど爆発力に欠けるようなイメージを持っていて、イマイチこの馬を積極的に買おうという気にはなれない。青葉賞1着馬の近10年成績は0-0-1-8ということもあり、人気してしまうならなおさら、しなくても買おうとはあまり思わない。

 

 

 

 

ショウナンラプンタ

青葉賞2着馬。

ホープフルで出たカカるという課題をゆきやなぎ賞で克服し、前走で力をフルに発揮した。加速ラップのレースラップでありながら一完歩ずつ勝ち馬との差を縮めていき最後まで迫った。桃帽でなければあるいはというレースで、この馬の力が示されたレースだったと思う。大逃げ展開を実質先行で展開利を得たシュガークンよりも、後ろに勝ち目の少ないような展開とラップのレースを後方から差し迫ったこの馬を強く推したい。青葉賞のジンクスはあるが、勝ちには至れないとしても、限りなく勝ちに近い位置まで迫れると私は思う。

 

シックスペンス

無敗のスプリングS馬。

中山しか使っていないのが気になるが、新馬スプリングSとキャリア3戦のうち2戦が加速ラップ締めで、延長は問題なさそう。

ダービーを目指して皐月賞を使わなかったと国枝師。上がりの切れ味も前走で証明されているし、人気するのも頷ける。

データ的に立ちはだかるのは乗り替わり成績の悪さだが、そこまで乗り難しい馬ではなさそうで。

紐には入れておかないと不安になるタイプの馬。難しいな……

ちなみにキズナ産駒東京芝2400の戦績はものすごく勝ちきれない数字になっている。

 

シンエンペラー

京都2歳S勝ち馬で、ホープフルS弥生賞の2着馬。

強いことには強いと思うのだが、皐月賞弥生賞、共にコスモキュランダと差を詰められなかったこと、皐月賞はむしろ突き放されたところに東京で買うことへの不安が……

切れる脚も使えることは当然プラスだが、皐月賞で「この馬には時計が速かった」という坂井のコメントの通り、やはり血統的にも速い馬場は苦しい。今の東京はかなり速い部類で、そうなるとこの馬には苦しくなってしまうのではないか。

ただ矢作師の強気コメントが気になる。

皐月賞は仕上がっていなかったが、今回は超抜。一番強かったのは東京の新馬。東京で下ろしたのは先を見据えて。

あまりに強気過ぎる。こういう手のホラを吹く調教師ではないし扱いが難しくなってしまった。

凱旋門賞馬の全弟……2400はこなせる血統的背景はある。あとはスピードの絶対値だけ。

少し考えたい一頭。

 

 

 

 

 

 

ジャスティンミラノ

言うまでもなく皐月賞馬。

初めてのハイペースを難なくこなし、先団から伸ばして押し切った皐月賞は圧巻。初のハイペースをこなして勝ち切ったのは地力の高さがなせる業。延長を苦にしそうな印象もなく、人気通りに勝ってもおかしくない一頭ではある。

ただ気になるのはキズナの東京2400成績で、実に2-9-9-41。複勝率は32%あるが勝率にするとおよそ3%と全く勝ち切れない。2勝も未勝利でのもので、うち1勝は不良馬場。この勝ち切れない血統を見ると頭で買わない方が馬券的な妙味はありそうに見えるが、先週の反省を活かしての騎乗も見てみたい気がして……

難しい。

 

 

ジューンテイク

京都新聞杯勝ち馬。

その京都新聞杯はラストこそ持続ラップだが、上り坂を考えても道中がっつり緩んでおり、前内ベタで走っていたこの馬には有利な展開。

額面ほどの強さは無いと思う。

他のレースも特筆すべき強いレースはなく、ダービーに駒は進めたものの強く買う馬ではないというのが私の見解。

 

 

 

 

 

ダノンエアズロック

プリンシパルS勝ち馬。

先行押切がこの馬の戦法だが、毎回質が良い。

プリンシパルSの7F→8F目の12.0-11.0のように急加速も難なく対応するし、ダービーを走れる素質は感じる。鞍上続投も大きい。

弥生賞の大敗は骨折の影響あってのもの。大敗無視可能なうえに「中2週を織り込んでいた」という堀調教師のコメントもある通り、プリンシパルを使って上積みはあるだろうし、実はこういうタイプのローテはプリンシパルだからって理由だけで敬遠されがちだし、意外と人気の盲点になり得るのでは??

穴になってくれたらいいな……

 

 

 

 

ダノンデサイル

京成杯勝ち馬。

皐月賞が直前除外になった分、調教で負荷をかけたというが、ダービーは走いう調整で来れるほど甘くはない。アーバンシックを評価する以上、京成杯でそのアーバンシックを押し切ったこの馬が弱いと言うつもりはないし、実際京成杯は強いレースをしたと思っているけれど、中山2000のG3と東京2400のG1では正直なところ別競技だと思う。

少なくともこのローテで、今年、このダービーで来る馬ではない。

 

ビザンチンドリーム

きさらぎ賞勝ち馬。

阪神新馬は圧巻の内容で、急坂をものともしない急加速。

きさらぎ賞も着差こそつかなかったが、急加速しながら大外回して届かせる大味だけれど力強い競馬。

皐月賞は4角不利で届かなかったが、スムーズならもう少し上位というコメント。

本当に力があればそれでも皐月賞で上位に来れるというのはもっともだが、オッズと枠次第では紐にも一考だが、基本は消しの方向で。

 

ミスタージーティー

若葉ステークス勝ち馬。

若葉ステークスは道中4番手から溜めて直線持ち出しで押し切る王道の競馬。1000m61秒で入って、残り5Fは12.1-12.0-11.8-11.4-11.4の加速からの持続のレースラップ。これを先行して押し切ったのは力がある。

ただ皐月賞は取りたいポジションを取っての力負け。作戦通りであったとレース後コメントにあったように、あれ以上の結果は望めなさそう。

兄弟を見ていても2000前後が良いところかなというのが正直なところで、ドゥラメンテが当舞台好相性であってもここで強く推すことは……近10年で、皐月賞二桁着からの臨戦の馬が0-0-0-24であるということを踏まえても印を回さないことになると思う。

 

 

 

 

 

 

メイショウタバル(枠番決定後取消)

皐月賞で逃げた馬がダービーで来れると思っていないので消し。

毎日杯の数字に後ろ髪を引かれる思いがあるし、逃げでダービーを勝つ馬を見てみたいとも思うが、それでもこの馬がそれを成し遂げるとはどうも思えない。

少なくとも皐月を逃げ切れない馬がダービーでどうにかなるとは思わないし、何とかなってしまうメンバーではないし、そんなに甘いダービーではない。消し。

 

金曜に取り消しの報が出た。馬券に組む組まないは置いておいて、馬生に一度の晴れ舞台。馬もさることながら、騎手や調教師をはじめとした陣営の無念はいかほどかと思う。ひとまず大事でないことを祈りつつ、次走以降の活躍に期待。

レガレイラ

ホープフルステークス馬で今年の紅一点。

皐月賞は後方に置かれて末脚不発。後方の不利事象も影響はなく、スムーズな運びだったように思えたが、接触で脚がそがれたか?北村宏司も「思ったより苦しい伸び」と評したように、ホープフルのようにはいかなかった。ルメールは「ゆったり運べば最後は脚が使える」「東京は向く」とコメントしていて、東京2400は悪くなさそうなコメントを出している。

追切にも騎乗していてそれなりに気持ちはありそうだし、ルメールがいとも容易く乗っている馬がそこまで乗り易い馬ではなかったというのはままあることだが、果たして結果はどう出るか。

強気になれる馬ならそれなりに強気なコメントが出るのがルメールな気もするが……

 

 

 

◎アーバンシック

ジャスティンミラノ

▲コスモキュランダ

⭐︎レガレイラ

△ダノンエアズロック、ショウナンラプンタ、シンエンペラー、ゴンバデカーブース

 

メイショウタバル不在で撤退した逃げ馬がいなくなったダービー。

これでスロー……と考えると多分痛い目を見る。馬生に一度の栄冠、ここを勝とうと思うと自然と求めるポジションは前に行き、ペースは上がっていくのではないか。

アーバンシック、折り合いの難しそうな部分を皐月賞で少し見せていたが、身体に余裕が出た分だと思うし、制御できないほどではないように見えた。ここで仮にペースが落ち着いたとしても、制御できるだけの余白と追い込めるだけの脚がこの馬にはあると思う。直線、進路を見つけられたらあとは安心してみれるのではないかな。

百日草特別は格段に強かった。アレを見せられたら、このダービーで……と夢を見てしまうのも仕方がないと思う。

追い切りはとても良かったと思うし、あとは運に身を任せる。

 

 

対抗のジャスティンミラノは当然強い。

未経験のペースをあっさりこなした皐月賞はレコードのおまけ付き。前にすんなりつけられるポジション取りのセンスもあるから、戸崎のレースプランを忠実に実現していけると思う。

前につけながら最後は後ろが届かないレベルの脚を使えるのも魅力。爆発力のあるような見え方ではないが、一番堅実で勝ちに近づける脚質だ。

私が見たいレースの内容は別稿に譲るが、一世一代の舞台にあって、爆発力に欠くというのは、すんでのところで勝ちを取りこぼす可能性を示すものでもある。

アーバンシックに差される未来もあるいはあり得るのではないか。

 

 

▲コスモキュランダはシンプルに舐められ過ぎ。皐月賞2着、伸びても問題ない血統、デムーロはダービーV2と下がる要素がない。

中山での輝かしい実績がかえって東京での人気を下げているが、脚質も身体も、東京がダメどころか合いそうなイメージすら湧く。この印が重過ぎるだとは、私はあまり感じない。

 

 

⭐︎レガレイラ、ホープフルの末脚は牡馬をも斬れると思ったし、それだけに皐月賞は残念。

血統構成はアーバンシックと同じ。もしかしたらこの馬の方が正解の可能性すらあるけれど、そこは騎手の物語も踏まえて差をつけた。

 

◎○の馬連ワイドを主軸に、◎○→◎○→印の三連単も少し買っておこうかな。

 

 

 

 

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