土俵際競馬愛好会

相撲と競馬と銭湯と映画を愛する男の隠れ家的日記

大相撲初場所2日目観戦記

そんなに写真は多くないですが、表題の通り国技館に行ってまいりましたのでその記録を。

 

 

コロナ禍にあって、ましてや緊急事態宣言下にあって、にわかに初場所開催不安説が流れていたが、結局予定通り初場所は開催される運びとなった。

 

場所前には佐渡ヶ嶽部屋の序二段力士の引退騒動もあり、幕開けはいたって不穏。

これだけ不穏なのは技能審査場所以来なのではないか。

私は今年新社会人の代なので記憶が非常にあいまいだが、あのあたりでも非常に重たい空気が流れていたのは覚えている。今回は相手が病魔とあって、人々の警戒もやむなしといったところであろう。

 

今回は手伝いとして私を使っていただいていたお茶屋の若女将のご厚意で升席観戦。本来はこの状況もあって家でのんびりと見ようと考えていたのだが、折角お話を頂いたのでと、できうる限りの対策をして両国へ向かった。

同伴はやはりこの状況もあってなかなか集まらないかと思ったのだが、ミュージカルを一緒にやった友人が同伴してくれることになった。

 

入場の際には昨年9月場所に来た時と同様に観戦マナー等記された冊子が配られたほか、今場所から半券裏に氏名と電話番号を書くよう求められた。感染者が出た際に追跡するためらしく、この辺の策にもコロナウイルス感染拡大の深刻さが窺える。

 

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折り込み広告的なもの。横綱級なのに横綱の写真を使わないとは……と思ったが、よく考えたらこれは横綱が休場し過ぎて横綱がメディアに出られない事に起因するのではないかと思い至った。テレビや雑誌も休場すると翌出場場所まで出られないとどこかで聞いた。ソースはあやふや。意外なところに横綱休場の弊害。

 

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寂しいお茶屋の通り。あの賑わいが戻る日を待つばかりだ。

 

 

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席は向正面の西寄り。

8列目なのでかなり近い。こんな良席で観れる機会は、学生である私にはそうあるものではないのでこの時点で大変満足。

 

9月にも一度来たが、その際と同じように土産物屋はかなり縮小。飲食物の販売はないと聞いていたが、レトルトカレーに混ざって焼き鳥は売っていたし、飲み物もあった。アルコールだけが無かったが、私は全く酒を飲まないので問題無し。パンフレットが見当たらず、いつも来るたびに買うなり貰うなりしていたが、今回は断念。通販もあるとのことだが、送料を考えると……聞く勇気もなく、大人しく観戦。

 

 

友人にはお手製の大相撲観戦のしおりを渡したが、果たしてそれがどれくらい役に立ったのかはわからない。9月に別の友人と来た際にも渡して一応好評してくれたのを良い事に渡してしまったが、余計なお世話だったかな……大学の同好会時代の悪い癖みたいなものが出てしまった。

 

その友人は勿体ないことに十両の取組を5番観て国技館を去った。バイトらしい。今やバイトも貴重だし仕方ない。

しかし宇良-王鵬の好カードを観て行けたことは幸運。宇良の「若手を退ける感じ……怪我から明けたら中堅になっていた」といった趣旨のコメントに時の流れを感じる。

初金星の頃には日馬富士がまだいた。懐かしい。

 

 

時系列は前後するが、十両の土俵入り。

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すこしぼけているのは申し訳ない。

これで片方のフルメンバー。

間が新しい味を出すのは演劇や音楽ではよくある事だが、土俵入りのこの間もまた、儀式らしさが強まったように感じられて個人的には良い。取り組みの数は非常に少ないし、あまり続いて欲しいとは思わないが……

 

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飛んで幕内。

こちらはだいぶぎっしり。不謹慎な話だが、これに加えて佐渡ケ嶽から出たりしたら大変な事になっていただろうなと思う。

 

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なんと休場者の多く、十両取り組みの少ないこと……

 

 

 

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応援している照ノ富士

逆転人生なんて番組に取り上げられていた。

既に逆転しているのか??とも思ったが、苦境を乗り越えてよく帰って来たと思う。

大関は手の届くところに来ているし、なんならその上にだって行けるはず。真のまだまだこれから!

この日はこれまた応援している阿武咲に敗れて1敗。翌日勝って2-1。大関は不調だし、今場所優勝なら大関再昇進もあるはず。頑張れ!!

 

 

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こちらも応援している貴景勝

こちらは絶不調。リプレイ見たが足が揃っていてダメ。足が揃うと引きに落ちやすくなるどころか前に出る時も力にスピード感が伴わない。

体格ではあまり有利を取れない貴景勝の武器は特殊な押しと落ちない足腰。それが失われては綱どころの話では……

翌日も敗れてまさかの3連敗。白星が遠い。

 

隆の勝が私の郷土力士なので大変応援しているのだが、生で見たいと思うあまり写真を一枚も撮っていなかった。悔やまれる。

 

 

 

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規制退場を進めるにあたって行われている抽選会。なんとこの日のお渡し担当の親方は秀ノ山(元大関琴奨菊)と武隈(元大関豪栄道)の豪華ペアとあって、人が割と残っていた。

トークも軽快で時折客席からは笑いが。

大変結構だが、何のための規制退場なのか、何のための無声応援なのかを考えて欲しいところではある。

そんなこと考えていたら抽選ハズレ。残念。

 

 

 

ここからちょっと真面目というか、一ファンとしての意見を。。。

 

 

今回の観戦を振り返ると、なんだかんだで協会はもうやれることはやり尽くしてくれている感じがあった。ネットでは開催を疑問視する声も多かったし私もその1人だが、それでも開催に踏み切ったのは相応の対策を講じた上でだった、というのは今回の観戦で感じたことのひとつだ。

 

半券裏の情報記入による追跡はネット入力だと主に高齢層がやらない恐れがあることを見越してのことだろう。アナログだがアイデアとしては良いと思う。

館内にはこれでもかと消毒用アルコールが置かれていたし、プッシュ式だとやらない人が多いからか、その多くが自動(手をかざすと出るやつ)だった。換気のために全ての扉は開放され、館内には「マスクの着用をお願いします」と書かれたパネルを持った係員が巡回、そして写真にも上げたが規制退場推進のためのお楽しみ抽選会。

協会としては、観客に与えるコロナの恐怖を極限まで削ごうとしているのを感じた。

 

寧ろ問題は我々観客なのではないかという場面が多くあった。

土産物屋に並んでいた際、ソーシャルディスタンスを守るために床にテープが貼ってあるのだが、それを無視する老婦人。挙句の果てには大きな声で「ちょっと質問して良いかしら!」と叫ぶ始末。お楽しみ抽選会の笑い声然り、観客の意識がかなり低いように思われる。

協会がやる事をやってくれている。それに対しては観客である我々も応える義務がある。

一言も発するなとは言わないし、何も口にするなとも言わないが、なぜ対策が打たれ、規制されているのかを観客が考え理解しない事には感染の防止は完成しない。

これは相撲に限った話ではない。最近は対策を講じる事に重点が置かれがちだが、我々もまたその対策の意図を理解し、従わなければ意味がない。今回国技館に行ってその考えを改めて確かにした。

 

以前のような感覚でいらしている年配層も多くいた。相撲の魅力を広めようと学生生活の一部を捧げた者としても、国技館で手伝いとはいえ仕事をしていた者としても、こんな状況でも相撲を観に足を運んでいただくことは大変にありがたいことではあるのだが、それでももう一度、対策とその実践の重要性、そしてこの場所開催がどれだけ奇跡的であるのかを考えて貰えれば……と思わずにはいられない。

 

 

まだ場所も序盤。

これから開催中の体調不良者が出るかもしれない。その時々で万全と思える対策をしていたとしても、犠牲者が出うる。あの悲しみが繰り返されぬよう、この場所が無事に終われますように。