歓声無き祭典。
2020年、東京優駿。
昨年末、にわかに騒がれ始めた病魔が、まさかここまで大きな打撃を世界に与えようとは誰が想像できたことだろうか。
散々言い尽くされた言葉ではあるが、日本ではこうして競馬が地方中央問わず開催される事に感謝をしなくてはならない。
ダービーは例年、サークルの先輩・後輩達と府中で徹夜をして、開門ダッシュ(いわゆる第0R)に参加して現地で観戦をするというのが恒例であった。
一昨年、昨年と参加し、夜を徹して競馬について語らい、来たる大レースに想いを馳せるあの時間こそ、至福と呼ぶべき時間だと感じたものだ。
国技館でお茶屋さんのお手伝いをし、そこから府中へというのがいつものルートで、例年この土曜は楽日前、私は場所最後の勤め日で、旦那さまと若女将が厚意でくださった焼き鳥を手にしていたのをよく覚えている。
今年はその相撲も中止が決まり、そして競馬も無観客開催。事態の収束を願わずにはいられない。
さて、ダービー。
皐月賞を無敗で制し、父以来の無敗二冠を達成せんとしているコントレイルを中心に、皐月賞2着・朝日杯勝ち馬のサリオス、皐月賞をスキップしての臨戦・ルメール騎乗のワーケア、弥生賞で父に重なる勝ち方が印象深いサトノフラッグといった様子の人気上位勢。
コントレイルの皐月賞は道中絶好とは言えないポジションから4角大外を回しての勝利。
サリオスが馬場の悪いところを通してきたとはいえ、距離ロスの分を考えれば力の差は拮抗、むしろコントレイルの方に分があると見る。
ということで2020年東京優駿
本命は
◎コントレイル
内過ぎない、非常に良い枠を引いたと思う。
内に変な逃げ馬とかがいない分、ゲートさえ出ればインの良いところで先行策が取れそうで、勝つビジョンは容易に描けるように思う。
とにもかくにも内先団有利なのが今の東京なので、この枠は本当に良いと個人的には思っている。東京優駿は最も運の強い馬が勝つ、とよく言われるが、枠順に関して言えばかなり強い運を持っていそう。
閑話休題。
福永は当初距離はあまり長くない方が、みたいな事を言っていたのだが、休養中に厩舎と外厩とで欠点を修正できたようで「馬に関して心配なところはない」とまで言い切った。
ホープフルSの時点で2000mを最後流して勝てるような器だった馬が、皐月賞で脚質にも進境を見せ、鞍上はそれに対して全幅の信頼を寄せている。高速馬場にも適性があるのは東スポ杯から見て取れる。
最早死角はない。
○アルジャンナ
あまりにも人気がなさ過ぎるのと、PO馬なので。
この時期まで未だに1勝馬だとは去年はまるで思わなかったが、強さはそこらの1勝馬の比ではない。
東スポ杯ではコントレイルに突き放されたものの、自身も従来のレコード分は走っていて高速馬場適性はあると言える。
きさらぎ賞では追い込みが効かない馬場を上がり最速で追い込み3着。その上ポジション取りは川田のミスもあった。
前走はサトノインプレッサの一瞬の脚に屈したものの、アルジャンナも伸びてきてはいた。
今の東京は上がりは誰でも出るので一瞬のキレというよりはどれだけ脚を長く使えるかが大事だと思っている。しかもサトノインプレッサは33秒台の脚を使ったことがない。前走は求められる適性が違ったと言って良いと考える。
一勝ながらここへ漕ぎ着けたのは、裏を返せば様々な重賞の舞台で一定の結果を残し続けたからに他ならないし、それはつまるところ相手なりに堅実には走れているということにも繋がる。
今回引いた枠は昨年の勝ち馬と同じ白帽。
そして鞍上は昨年のダービージョッキー。
確かに稽古での雰囲気は良い時に及ばないが、枠も運も味方につけて、好走を期待している。
▲サリオス
まぁ普通に考えればサリオスは来れると思っている。
これも散々言われているが、トライアルでの皐月賞組の活躍を見ると、いかに皐月賞のレベルが高かったかということがわかる。
その皐月賞で2着、しかも直線は馬場の悪い内を通して。
人気ではあるが素直に従うべきだと考えた。
ダミアンレーンは土曜不調だったが、彼の強さはその修正力にもその根源があると考えている。枠は少し外だが、内が有利なだけで外がそのまま死ではない。血統的にここは大丈夫。
皐月賞2着の実力を見せて欲しい。
△ダーリントンホール
皐月賞で後ろから伸びてきた組。
皐月賞ではかなり後ろからの競馬になっていたが、本来はもう1列、2列前で競馬ができる馬。
調教の動きも良く、地味に期待している。
△ガロアクリーク
普通に皐月賞3着だし、上でも述べた皐月賞組強い論から言うと買わざるを得ない。
乗り替わりが痛いが仕方ない。9人気はやり過ぎ。
△コルテジア
皐月賞イン通しからの伸びてた組。
デキは良いのでどこまでやれるかなという感じ。
△ウインカーネリアン
大外が痛いが皐月賞入着でこの人気なら。
思い切った騎乗の田辺、つまり思い切っ田辺を所望。
消の中でも人気どころ、ワーケアやらサトノフラッグやらについて。
ワーケアは単純に高いレベルの一戦を積んでいないから。結局弥生賞のサトノフラッグは強い勝ち方をしたけれど皐月賞では入着がやっと。
そこから0.3後ろとなると皐月賞でいえばブラックホールやディープボンドのあたり。
ディープボンドは京都新聞杯を勝ったものの相手は決して強くない。
ましてや皐月賞組がほぼ揃っているこのダービーで、ワーケアを高速適性ありそうだとか府中適性ありそうといった理由で買う気には到底なれなかった。
サトノフラッグについては単純で、皐月賞は完全に力負けした感を私が抱いたから。来たら仕方ない。後学に活かす。
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