土俵際競馬愛好会

相撲と競馬と銭湯と映画を愛する男の隠れ家的日記

先輩の笑顔で戦争は無くなると思う。

ドイツ料理って結局なんの料理なの?

その問いがついに解けなかった月曜日の記録。

上の句は私の心の叫びの一節である。総武線快速に揺られながら叫んだ。

 

今日は尊敬する先輩のバースデーディナー。

クソ緊張してる。

尊敬はコミュニケーションを必要としない一方的な感情だが、飯は違う。

コミュニケーション無くして他者との飯は成り立たない。

私は人見知りである。極度の。

お初にお目にかかる方の前ではけっっっこう緊張するし、静かになる。

だのに私という人は、人、それも尊敬する先輩を呼んで飯に行くという行為に及んでしまった。

尊敬という自己完結的領域から漏れ出た感情が、私にこのようなことをせしめたのである。

本当は4人で行く予定だったが1人は遅刻との報せがあり、私と先輩以外のもう1人も極度の人見知り(自称)という詰みが透けて見える布陣。

結論から言うと人見知り(自称)は人見知りじゃなかった。詐称。私の方はと言えば、合掌である。

 

最寄駅から揺られること1時間と少し。

集合場所である有楽町駅に着く。

集合は18時半であったが到着したのは18時。

2限さえ出られない私でもこういう時は定刻前に着くのである。

逆に言えば、2限の授業が軒並み重要性を感じないから遅れるのだ。大学当局並びに教授は2限に先輩とのディナー並みの価値を持たせる努力をせよ。

 

苛立ちを胸に見渡した有楽町、初めてのはずなのになんか初めて感ないなと思ったら帝劇あるとこじゃん。私一回来たことありました。

レミゼ観にきましたわ。蘇る熱量。

あァ、エリザベート観たいな。

 

 

 

18時半、定刻通りに先輩は現れた。

当初遅刻をほのめかしていたものの、しっかり定刻。さすがは尊敬する先輩。

就活から直行とのことで非常にカッコ良い就活フォーム。カッコイイ。

縛った髪に少しのチークが非常に美しい。美。

「営業は嫌」といいつつ営業の御社を受け続ける先輩、ロックが過ぎる。

話を少し交わしたところで友人も現れ、3人でお店へ向かう。

 

有楽町から徒歩5分ほどのところにあるドイツ料理屋さんが今回の会場。

道中にもう一つドイツ料理屋があって非常に紛らわしい。ドイツに愛された地、有楽町。

 

なんと今回、(友人の発案だが)バースデーデザートプレートサプライズで予約しておくという完璧な手を打っていた。それも5日前くらいに。

大学の講義の宿題は疎かにする私がここまでするのだから、やはり先輩というのは偉大だ。

というか大学の講義も私に偉大さを感じさせないのが悪いのではないか。大学当局並びに教授陣には、尊敬したくなるような授業、定刻前に着席したくなるような授業を強く要求する。

私が感じようとしてないのも問題だけれど。

 

 

 

ご存知の方もそうでない方もいらっしゃるだろうが、人見知りは

「予約していた〇〇ですけど」

のフレーズが言えない。これ豆な。

しかしここで私は、あろうことか今回バースデー接待する先輩に「予約していた〇〇ですけど」をいう役割を託してしまった。

これに関しては「人見知り」を免罪符にできない。本当にすいません。

人間同じ過ちは何度も犯す。これを結婚を懸けたデートとかでやってたら間違いなく死ぬ。そもそも彼女から探さねばならぬ私には縁の無い話ではあるが。

 

閑話休題。失態を犯した私は俯き加減に卓へと向かった。

メニューを広げながら3人で他愛ない話で盛り上がっていたのだが、何やら通路のウェイトレスが忙しない。うんこ漏れそうな時の私の挙動にそっくりだ。だがしかし、さすがに職務中にうんこ漏らしそうでソワソワしてましたなんてことはあるまいと勘繰っていると、なんとそのウェイトレスこちらの卓にやってきた。

 

「お飲み物はお決まりですか?」

 

おいおいおい、他愛ないトークを破壊するな!

一度消えた火はまたつけるのが大変なんだぞ!自然教室で学ばなかったのか!!なんのためのカレー作りだったと思ってるんだ!!

と思いつく限りの罵声をテレパシーで飛ばしていると、先輩は

「あ、まだです。すんません」

とウェイトレスを追い返した。

さすが美の女神。力の頂点。

とはいえ、さすがに何も頼まない訳には行かなくなったのでドリンクメニュー表に目を戻す。

 

そういえば今日集まった人全員お酒が飲めない。1人は年齢、私は好み、先輩は体質によってそれぞれ飲めない。

でもドイツといえばビールだし、ビール頼むか、と成人勢はビールを注文。

先輩はレモネードとビールを混ぜた「ラドラー」なるビールを、私はブドウジュースと混ぜた「ビアーベリー」というものを注文した。

 

ここでビールの写真撮っていないことに気づいた。どころか料理のひとつも撮ってねえ。ミスった。想像してお楽しみください。料理について言えば、味は美味かったが正直コスパは悪かった。

 

私の服の選択肢があまり無い話、先輩の就活の話などに花を咲かせていると料理注文の催促。もはや定例。

そそくさと料理を頼む。値段も味も上述の通り。

 

その後もう1人の友人も合流してバースデープレゼントを渡すタイムに。

バースデー感マシマシになって来たところでバースデープレゼントのマグカップをお渡しし、スタッフにバースデースイーツプレートを催促しにトイレのフリして席を立つ。

 

ここまでは完璧であった。

 

 

 

人生とは上手く行かないもので、催促してから10〜20分しても来ない。待てど暮らせど来ない。プレゼントタイムも終わり、盛り上がりも下火になってきた。

思い描いてた脚本では

①バースデームービーを見てもらう

②その間に立席してプレート催促

③おめでとう!!!!

だった。

タイミングを見失ったのでムービーを後送りにすることで何とか計画を続行していたが、プレートが来るのに10〜20分かかるというのは想定外だった。普通こんなもんなのか???

 

盛り上がりの火が消えかかったその時、遅れてそれはやって来た。

店員は普通の皿を持ってくるが如く

「はいこちらデザートプレートですね〜」みたいな感じで持ってきた。なんだこれ。

 

先輩は喜んでくれていた。

いたが、もっと喜んでもらいたかったし、喜ばせることが出来たと思う。

店側の遅さはさすがに想定外だった。

デザートプレートはもともと作っておいて冷蔵庫にしまえそうなものだったことが私の怒りを加速させた。

予約したのは5日も前である。

そんな凝ったものでもないのになぜそんな遅れるのか。

「そろそろお願いします」というお願いの仕方がいけなかったのか?いやそろそろって、そろそろ以外に意味ないだろ。そろそろ使わずに生きてきたのか?日本人だったぞそのウェイトレス!!!!

と怒りは留まるところを知らない。

 

先輩の厚意でみんなでデザートをつつく。

バウムクーヘンは甘かったが、心の中で苦い思いをしていたのは言うまでもない。

 

そして席を立つ。

変なところでカッコをつけたがる私は、先輩には払わせないと心に誓っていた。

払わせたくない後輩vs払いたい先輩の戦いは見事私が勝利し、奢ることが出来た。この点に関しては自分で自分を評価したい。

 

レシートを見返す。別にどんなに高かろうが祝いの席である。私が払うことに関しては全く嫌な気持ちはしないし、むしろ払わせて下さいと願い出ている立場である。就活、しかも面接帰りでそのまま来て下さって、本当にありがたいし申し訳ない。

 

しかしながら、支払い項目に奉仕料、すなわちサービス料の欄があることに気づいた時には流石にたまげたし、高い金払ったな、という気持ちになった。

日本のサービスは高度なのは存じ上げているが、さすがにサービス料の文化が薄い日本で、ファミレス並みの、いやそれより質の低いサービスでサービス料をせしめるとは。

いやはや、なんとも神経が太い。呆れを通り越して笑える。

 

彼らはサイゼリヤやマックやジョナサンに行った方がいい。彼らはサービス料も無しに立派なサービスをしているし、客のことを考えている。その実はわからないが、少なくともそう見える。

ましてや客に注文を急かすようなことはしない。

 

サービス料を取るからにはせめて客の事を第一に考えられるようになって欲しいものである。

私は労働法をかじっている身で、「価値ある行動に対して適正な対価を」論者であるが、さすがに今日の店のサービスはサービスではない。

サービス料としてお金を頂く、ということを忘れてはならないと思う。

 

 

こんな怒り心頭なのは今そこにフォーカスして思い返しているからであると信じたい。

その場にいた時は先輩が笑っていたので穏やかであった。

自分の思い描いたようなお祝いはできなかったけど、先輩が笑顔になってくれたのならそれでいいか、と思えたのである。

先輩の写真を載っけるわけにはいかないが、本当に笑顔の素敵な人なのだ。ファンクラブ勝手に作ったし。

先輩の笑顔で戦争は無くなると思う。

今日、改めてそう思った。

 

 

クレーム記事になりかけたから、綺麗っぽい締め方で閉じる。先輩、誕生日おめでとうございました!